2018年10月3日 宮崎県Mし尿処理施設へ説明に伺いました。

浄化槽汚泥濃縮車の開発、調査研究に携わり、濃縮車の効果を実証して参りました。その結果、浄化槽維持管理基準等検討委員会、浄化槽ビジョン等において、濃縮車の活用が浄化槽の機能維持、汚泥処理の適正化に必要不可欠であることが示されました。その後も環境省からのし尿処理広域化マニュアルに示され、循環型社会形成推進交付金の対象にもなった経緯について、第30回全国浄化槽技術研究集会において発表致しました。

20年以上前には、濃縮車に対して受入拒否を示されるし尿処理施設が極めて多く、その説明に伺ったことも多くありました。濃縮汚泥、凝集剤の影響等の悪いイメージが先行して、受入ができないというものでしたが、今では、全国で濃縮車が約200台稼動し、喜んで頂いています。

今回の宮崎県Mし尿処理施設では、全体の約85%が浄化槽汚泥、し尿が15%で、浄化槽汚泥に対して受入制限を実施していました。処理方式は標準脱窒素方式で本来余裕のある施設です。

本施設では、浄化槽の設置基数の増加が浄化槽汚泥量の増加になることを考慮し、浄化槽汚泥専用ラインに膜分離装置を付加して対策しています。しかし、膜分離装置は水量負荷に限界があることから、受入量に限界が発生してしまうことは明らかです。その部分については、理解できますが、浄化槽の設置基数の増加に対し、清掃率の向上も期待できないのでは、地域の水環境保全に浄化槽が寄与できないことになってしまいます。ましてや行政サービスとしての汚泥処理の責任が果たせないことになってしまいます。

施設の状況をうかがうと、し尿ラインと浄化槽汚泥膜の分離液を処理する標準脱窒素ラインは負荷が極めて低く、5倍程度(一般的な設計では10倍希釈程度)の希釈で処理している現状にあります。簡易水洗トイレの普及に伴うし尿の希薄化と浄化槽汚泥の比率を考えれば、し尿と浄化槽汚泥の混入比率等を考慮することがナンセンスの状態であり、汚泥処理のラインを再検討することが必要な時期にっています。

これらを検討、解決することによって、本施設はまだまだ処理能力を十分に発揮できるものと考えられ、浄化槽の清掃率の向上、浄化槽汚泥濃縮車の活用等、地域の水環境保全にさらに貢献していけるものと期待されます。

2018年10月8日