2019 11月2日~9日 中国四川省に行ってきました。

四川省農業庁は、日本の農業技術の協力と交流を強化するため、「家畜-処理の家畜糞尿を効率的に使用-草-家畜養殖-美しい農村」の環境循環型モデルを立ち上げ、2017年より四川省の農村家畜糞尿の効率的有効利用、美しい農村の建設実証事業をスタートし、今年は3年目となります。

2019年11月2日に成田で1泊し、3日の便で成都への直行便で飛びました。
今回のプロジェクトにおいても 、現地視察と研修を目的に実施されました。
視察した場所、研修を行った場所は、次のとおりです。
① 崇州市 農村振興地域 農作物エリア、畜産エリア、住居エリアと区分して、一体型の農業地域を形成しているモデル地区を視察しました。他にも多くの見学者が来られていました。
② 崇州市 华川集団 民間の施設で広大な地域に農業、研修等を数百人規模で実施でき、宿泊もできるセミナーハウス、ゲストハウスを視察しました。
その施設において、浄化槽(日本環境整備教育センター雲川氏と岡城)、農業関連(沖縄県青年海外協力隊を支援する会のJICA専門家OBの善平氏)について講演を行いました。
③ 楽山市 日本の愛媛県のみかん栽培を導入し、広大なミカン畑を視察しました。ここでは観光農園も実施し、休日には多くの来場者があるとのことです。この地域では、養豚も盛んで、その廃棄物を嫌気性消化した液肥を農業利用していました。その廃棄物量が多いため、現在、大規模な嫌気性消化タンク、ガス回収タンク、コンポスト施設を建設中でした。その途中の移動場所では、住宅地からの排水処理を担う中国産の浄化槽が設置されており、内部は見れませんでしたが、処理水を土小処理した処理水が採取できましたので、簡易水質測定を実施したところ、NH4-Nはほぼ0mg/L、NOx-Nが15mg/L程度、PO4-Pはほぼ0mg/Lでありました。設計計算を逆算すると1人当りの汚水量は60L/日程度と考えられました。
④ 楽山市(その2) 個人住宅規模において、畜産、農業を営んでいる場所を視察しました。以前は豚を多く飼育していましたが、豚コレラの発生により豚の殺処分を余儀なくされたとの事です。その他の家畜汚水を嫌気性消化して得られたメタンガスの料理への有効利用、少ない時には都市ガス利用のハイブリッドとしていました。その住宅の横には日本の浄化槽が準備されており、12月には工事、使用開始される予定との事です。
⑤ 成都 農業庁の出先の職員が成都に会し、②で行った講演を同じように行いました。
講演においては、極めて活発に質疑がなされ、関心の高さが感じられました。
今回も視察途中で楽山大仏、金龍長城、竹林、公園等にも行く事ができました。また、四川料理も堪能し、食材の豊富さには呆れるぐらいで、そこで出る廃棄物の行方は大変気になるところです。

3か年計画の3年目が終わりましたが、日本の浄化槽が設置されるのはこれからです。今後どのように展開するかは不明ですが、また要請があれば協力したいと考えております。

2019年11月11日