2021年 12月10日 (株)日本環境管理センターの浄化槽汚泥濃縮車の勉強会に出席しました

浄化槽汚泥濃縮車に携わって40年になります。

岐阜県には浄化槽汚泥濃縮車が65台導入され、全国では最も多く用いられている県です。導入されてしばらくすると操作方法が自己流になる傾向があり、特に対象とする汚泥の見極めや凝集反応の見極めに個人差が生じます。

日本環境管理センターの牧野社長から、近隣の同業者も入れて勉強会を実施したいとの要望があり、浄化槽汚泥濃縮車に関する実務研修(アメニティいわきの根本氏)と座学を岡城と根本氏が担当して実施しました。

岡城が以前所属してた公益財団法人日本環境整備教育センターでは、環境省の環境研究総合推進費に課題名「汚泥濃縮車を活用した浄化槽汚泥の収集・運搬・処理過程における環境負荷削減効果の網羅的解析および最適活用方法の提案」が採択されたことから、4名派遣して本勉強会に臨みました。

天候に恵まれ、海津市役所の職員も加わり総勢20名ほどで現場からスタートしました。1か所の現場ではありましたが、構造例示型の7人槽で接触ばっ気槽内の活性汚泥化もあり、2回濃縮操作を行いまた。そのため、浄化槽内部の状況確認と汚泥濃度の違いによる凝集反応の見極めなどを確認しながら、時間をかけて勉強することができました。

座学では、最初に動き出した東急車両の濃縮車からSN式濃縮車へ、黎明期から発展までの種々の苦労話、さらに技術的には凝集剤の特性から最適凝集状態の判断に必要な事項について学びました。

本濃縮車は現場で凝集・濃縮などの処理を行うことから、中間処理(し尿処理)施設として登録しなければならないとされた時代がありました。その後、浄化槽維持管理基準等検討委員会において清掃作業の効率化について浄化槽汚泥濃縮車が検討され、その有用性が各都道府県に通知され、浄化槽ビジョンやし尿処理広域化マニュアルでもその活用が示され、結果として、濃縮車を廃掃法上の「施設」としないことに問題無いと判断されることになります。

そり頃には、SN式(モリタエコノス)濃縮車に加え、新明和工業、兼松エンジニアリングも濃縮車を開発し販売を開始しました。岐阜県ではこの3社について作業性、作業効率、汚泥濃縮度、分離液の性状などを同一設定条件で試験を行うことを教育センターも参加して実施しました。

数々の知見が得られ、浄化槽汚泥濃縮車の発展に貢献できる成果が得られました。

その他、参加者から頂いた疑問点に答えながら、ディスカッションも行うことができ、大変有意義な勉強になり、今後の現場作業に役立てて頂けるものと確信して閉会となりました。

 

2021年12月12日