2023年 6月23日 視察研修でハンセン病資料館に行ってきました

大野南地区民生委員児童委員協議会では、年1~2回視察研修に行っています。ただし、この3年ほどは、行く機会が極めて少なかった現状にあります。2022年12月に改選が行われ、新任の方々を約半数迎えたことから、新任研修と親睦を兼ねて研修の機会を多くしていきたいと考えています。

市民児協が主催で新任者研修を行っていますが、まだ実感がわかない状況にあります。定例会でも少しずつ話題提供を行っていますが、視察研修にバスで移動し同じ時間を共有することは有意義な事と言えます。

今回の視察研修は国立ハンセン病資料館に行くこととしました。民生委員児童委員が対象とする老人、児童、障害者も含まれ、中には虐待という問題も対象とします。

ハンセン病は1400年も前から日本にあった病気ですが、誤解が誤解を呼び、偏見も重なり、社会から逃げるように生きてきた例が多くあります。1930年頃には、ハンセン病は治らなく恐い病気とみられ絶対隔離が必要であると、国や県が宣伝しました。

1947年にハンセン病を治すことのできる初めての薬(プロミン)が登場します。しかしながら、発症した患者さんたちの容姿をみると感染力が強くうつるのではないか?等もあり、病気からの回復者を療養所に入れ続けることを決めていた「らい予防法」が残っていて、1996年にやっと廃止されました。

その後、回復者たちは政府に対し裁判をおこし、結果的には回復者たちが勝訴し、政府は謝ってハンセン病への偏見や差別をなくすことに努力することを約束しました。

ハンセン病は不治の病と思われていましたが、1947年に治療薬ができ回復される方々が多くみられました。しかし、後遺症がひどく見た目などから、社会の偏見、誤解はかなりの長きにわたって隔離を強いてきた現状にあります。

現在では、3~4種類の飲み薬を飲むことによって、手足や目に障害を残さないで治すことができます。今は衛生状態、健康状態がよいため、ハンセン病にかかる人はほとんどいません。

人類は感染症との闘いを繰り返してきています。不治の病とされたものが、医学の進歩により治療が可能となったものが多くあります。しかし、症状や後遺症などにより、誤解や偏見が生じ、虐待にまで至ってしまうケースは現代においても課題の一つと言えます。

私たちの身の回りのいろいろな障害を持ってしまった方々にも同じような苦悩があり、そのご家族にも大きな負担がのしかかっていることは同様のことと思います。

民生委員児童委員として、このような方々にも寄り添っていけるように努力していきたいと思いました。

2023年6月25日