2023年 8月28日 (公社)広島県浄化槽協会公益認定10周年記念式典に参加しました

8月28日は岡城が理事を務める公益社団法人広島県浄化槽協会が公益社団に認定されて10周年を迎え、その記念式典が開催され出席してきました。出席者には衆参国会議員、県知事、県議会議員、広島県関係部局、14の市長・町長、市町議員、その関係部局、関係団体など、総勢300名以上が集まり、記念式典が行われました。

発足当初は20%程度であった検査率は現在70%を超え、検査基数は10万基を超える状況となっています。これは、そう簡単にできることではありません。検査機関が声を上げただけでは推進することはできず、市町、行政、議会にも協力を要請し歩調を合わせて実現できたものといえます。

会長式辞、来賓祝辞、来賓紹介の後、次の基調講演が行われました。

1.浄化槽推進室長 沼田正樹氏 「最近の浄化槽行政の動向について」

下水道から浄化槽への見直し区域、検査率向上への取組み、単独の合併への転換、特定単独への対応、公共浄化槽の推進、脱炭素化、強靭化、災害対応、台帳システム、清掃・保守点検の実施率についての調査等、多岐にわたった講演でありました。あらためて維持管理の実施率を調査するということは、維持管理の重要性を再認識することで有意義であります。岡城が教育センター時代の2004年に浄化槽の清掃率について、日本環境保全協会、全国環境整備事業協同組合、全国一般廃棄物環境整備連合会の3清掃団体に依頼した「浄化槽の清掃の実施状況等に関するアンケート」を集計し、解析を行いました。その結果は、清掃実施率約75%、それを踏まえて汚泥発生量の原単位を算出しました。それから約20年が経過し、どのように推移しているかが楽しみです。

先日、富山県浄化槽協会の研修会において、検査員の方からJISの改正に伴う法定検査への反映はどうかを質問され、戻ってからJIS K0102 2021をネットで購入し確認したところ、BODの測定方法において、硝化を抑制した方法がJIS2021で備考から格上げされていました。今後の法定検査の水質検査(BOD測定方法)ではどのように判断し、測定方法を指示していくのか?について、沼田室長に概要の資料をお渡ししました。

2.常葉大学名誉教授 小川浩氏 「10年概成後の浄化槽の役割」

平成26年1月に環境省、国土交通省、農林水産省の三省が共同で都道府県構想策定マニュアルを策定し、10年程度を目途に汚水処理施設の概成を明示するすることが示され、各地域で見直しが行われてきています。下水道事業にかかる財政負担は、使用料収入では維持困難なため一般会計からの繰り入れ金が前者よりも高額となっていることから、長期的に下水道を維持していくことは困難であることを示しています。小川氏は元日本環境整備教育センターの同僚で、調査研究を一緒に実施していた時代が懐かしいです。

3.(公社)広島県浄化槽協会副会長 高山浩一氏 「浄化槽のあるべき姿 提言」

浄化槽の強み、弱点、その弱点を克服する方法、そして浄化槽のあるべき姿を提言されました。

その後、懇親会が行われ有意義な時間が過ぎていきました。

その翌日からは、浄化槽管理士講習会大阪会場の講義のため大阪に移動し、29日と30日の講義を担当しました。

 

2023年9月3日